40代男性からの浮気調査の依頼
事務所に妻が浮気しているかもしれないと相談の電話が入りました。
電話だけでは折り入った話も出来ないので一先ず事務所へ来店してもらい話を聞く事になりました。
依頼者から話を聞くと妻の浮気が確定していると直ぐに分かる様な内容でしたので契約に至るまで時間は掛かりませんでした。
妻による浮気を疑う様になった兆しとは
- 習い事をしている妻の帰りが遅くなった
- 妻の携帯にメールや電話が鳴ると急いで携帯を手にする事が多くなった
- 妻の携帯にハートマークが付いたメールが頻繁に届く
- 子供が学校休みの土日にも出掛ける事がある
- 派手な下着が増えてきた
- 妻のポーチにアダルト系のローションと思しき容器を発見する
夕方5時位から行っている毎月5~8回茶道教室へ通っていましたが3ヶ月ほどして少しずつ妻の帰りが遅くなる様になりました。
帰りが遅くなるのは同じ生徒の皆でカフェをしているとの事ですが回数が多くに連れ不信感を覚えます。
妻が茶道教室へ通う様になってから頻繁にメールが届く様になりました。
生徒の仲間なのかと思いましたが少し遠めから妻の携帯画面にハートマークの付いた文章が見え不信に思いました。
着信が鳴ると慌てて携帯を手にする事もあり不信感が大きくなったので妻を問い詰めると、同じ教室に通う女友達だと言っていました。
それだけではなく派手な下着が増えてきた事と土日にも関わらず夜遅くまで出掛ける事も度々あり不信感が募るばかりです。
ある日、妻が台所に行っている間にチャックが開いている妻のポーチにアダルトローションの様な物が入っているのが見えた事で妻の浮気を確信する事になります。
以上の事から依頼者は事前に自分で、ある程度は妻の身の回りを調べた上で依頼に踏み切ったそうです。
浮気を確信する事によって依頼者が妻の素行を調べる事に対し罪悪感が残る事もなくなり今回の依頼に迷いがなかった様です。
当時は携帯電話がガラケーの時代で、まだスマートフォンなどは普及していない時でした。
Lineなどの手早い会話の出来る機能は存在していないので直接電話で話をするか時間を掛けてメールでやり取りをするのが日常です。
その為か現在に比べると配偶者による浮気は発覚率が高く確信した依頼者の半数以上は浮気現場の証拠を収めてほしいと言う直球的な依頼も多かったです。
今回調査にあたる依頼者も、その中の1人です。
依頼者との契約内容
依頼から調査終了に至るまでの期間は1週間(7日)程度で平成16年の7月~8月頃の夏です。
7日間の日数から対象者の動きのある可能性が高い日を調査日に指定して1日ずつ期間を消費していく事になります。
急な動きがある時は依頼者から連絡があり調査員が動くなどの連携を取る様にすることで無駄な調査をさせる事が少なくなり調査費用などの出費も抑える事が出来ます。
尚、調査費用は60万円~80万円程で契約をしていましたが、料金詳細に関して知っているのは基本的に相談員と社長の2人だけで調査員は大まかな金額を聞く程度でした。
後にも述べる事になりますが実際に調査を行った日数は3日程度で依頼者の、ある都合により契約を打ち切るという形で調査を終了します。
対象者の自宅で下見を開始
依頼者との契約を交わしてから事前調査として依頼者の自宅へ赴き下見などを行います。
在宅中の女性を確認、人物像の特徴を撮影、この女性が依頼者の妻であり対象者であると断定します。
調査の下見段階で女性の特徴を認識する事で調査の初動段階で出鼻を挫く事が少なくなり尾行などの失敗のリスクを大きく軽減します。
対象者のステータス
女性(41歳)
身長:165cm位
体系:細身
髪型:やや茶髪のセミロング
煙草:吸わない(依頼者情報)
足元:ヒールを履いている
調査員として対象者を分析した印象では、見た目からしてスタイルが良く清純なイメージです。
ワンピースを着用していましたが上半身に目が向いてしまう程に胸を強調していると思わせる様な印象でした。
出掛ける子供を見送る時に優しそうな目で手を振っていましたが、よく見ると顔の表情が少し妖艶な雰囲気を醸し出していました。
当時の私は26歳。
対象者は41歳でしたが、よりによって対象者の女性としての魅力に対して少し惹かれてしまいました。
既婚女性でありながらも男性からのアプローチを受けたいと意識したかの様な外見だったので、この人は浮気をしそうだなと感じました。
しかし、この対象者に対する魅力に関して他の調査員たちも私と同じ印象を受けたと言っており事務所内で話題になりました。
調査開始、報告書一部を再現
PM5時過ぎ依頼者から事務所に連絡が入り妻(以降Aと称する)が茶道教室に行ったとの報告を受ける。
報告を受けた調査員2名が茶道教室の周辺で張り込み等を行う。
外からは建物内の確認は出来なかったがPM7時頃、Aと数人の男女が茶道教室から出てくる。
少し離れた駐車場で約10分、雑談等を行った後に解散しそれぞれ車で駐車場から出るがAと60代の男性は駐車場に残ったまま暫く会話を続けていた。
その後Aは自分の車を放置し60代男性の車の助手席へ乗った為この男性を対象者と断定し以降この男性をBと称する。
Aの服装
・薄手のベージュ色半袖ブラウス
・薄手の白い膝上タイトスカート
・黒のタイツにヒールを履いている
Bの服装
・上下グレーのスーツ
・黒のビジネスシューズ
Bは助手席にAを乗せて車を発進させた為、追尾を開始とする。
時折、走行中に楽しそうに笑っている様子が見受けられ赤信号停止時にはAがBの方に寄り添う姿を確認する。
15分程車を走らせた所、川の土手沿いに差し掛かり坂を下った所で一軒家に到着する。
不貞行為における浮気現場の撮影と録音
駐車場に車を停めAとBが車から出て来るとお互い手を繋いだまま一軒家へ入りました。
この時、私は適当な場所に車を停めて急いで土手を駆け上って動画を最大限にまでズームし撮影する準備をしました。
何故、土手の方に移動したのかと言いますと土手の辺りは一軒家よりも少し高い位置にあるからです。
部屋を少し見下ろす感じで撮影をすると窓を通して部屋の内部が幅広く撮影が出来ます。
2階の部屋の明かりが点灯しAとBの姿を確認しましたが他の部屋は消灯したままであり現状この家には2人しかいないのが伺えます。
2人のいる部屋は基本的に外から見えにくい位置にある為かカーテンを閉める事がなかったので浮気現場の撮影を続ける事が出来ました。
更に幸運な事に対象者の周辺も民家は少なく人通りも殆どありません。
調査時期が夏場だけに対象者の窓が開いていて網戸だけを閉めていた状態でした。
対象者のベッドも見える位置にあったので、かなりの好条件が揃ったと言える状態です。
ベッドが見えると言う事はこれから行われると予測すべき浮気相手との性行為の確認が出来るのでより確実に証拠収集が可能となります。
後に不貞行為が行われるであろう部屋の窓も開いている事から、もう1人の調査員が会話を拾う為の録音機を仕掛ける準備をしました。
調査員までも引いてしまう程に撮影と録音が出来た浮気現場
Aは依頼者の目を盗んでBと2人で頻繁に会っており更には会話の内容や身体の関係まで持っている事を確定させる音声・映像を証拠として納める事に成功しました。
通常の浮気調査においてホテルの出入りや滞在時間、入店回数が重要なポイントとなります。
今回の調査ではAとBがいる部屋の内部まで撮影出来ただけでなく既婚者と知りながらAと付き合っているのが伝わって来る会話も音声入手し1回目の調査で全ての証拠が揃った状態となります。
後日、経過報告としてAとBに関する浮気状況を依頼者に伝えますが報告を受けた依頼者は当然ながら落胆した様子でした。
依頼者から調査打ち切りの通達
2日目の調査は土曜日に行われる事になり依頼者宅から開始となります。
PM12:30頃Aが自宅を出て車で約10分走行し大型スーパーへ到着、駐車場に停めたまま暫く車内に留まっていました。
周辺張り込み開始から更に15分程してBの車が駐車場へ進入、Aの車に横付けします。
Aが車から降車し駐車場に停めたままBの助手席に乗車した後、Bが車を発進させます。
ある海岸沿いまで車を走らせた先にあるラブホテル街に到着し駐車場に停め車から降りたAとBは、そのままホテルに入室。
約4時間の滞在を経て2人はホテルから出て来ると繁華街へ向かい居酒屋で飲食しAの車が停まっているスーパーの駐車場へAを送り届けます。
その後Aの目立った動きはなく自宅へ戻るのを確認、時間帯はPM9時過ぎでした。
後日、依頼者へ状況を話しAとBがラブホテルで数時間掛けて入室していたのを報告、依頼者は更に落ち込んだ様子でした。
それから3日後の調査は時間場所と共に初日と同じくAの通う茶道教室から開始する事となりますが張り込み中に相談員から連絡が入ります。
依頼者の話では十分に証拠収集が出来たのなら、これ以上は妻の事は知りたくないと打ち切りの申し出をしてきたので我々調査員は、その場で撤収する事になりました。
依頼者の離婚調停に向けて
今回の調査でAの不貞行為は火を見るより明らかとなった証拠映像に録音音声の状況などから裁判に踏み込めば問題なく離婚が成立するだろうと結論が出ました。
依頼者はAと離婚する決意が固く裁判にてBに対して慰謝料を請求する意思を示していました。
調査から数日後、相談員の話によると弁護士などを通じて裁判をする計画を立てていると言っていたのが最後であり依頼者はAと離婚するに至ったと思われます。
裁判上の離婚原因とは何か
夫婦同士での話し合いで離婚を合意してくれない時は裁判を行い離婚を請求する強制手段に出る事が可能です。
しかし裁判上での離婚に向けてのハードルは非常に厳しいのが現状であり夫婦の片方が拒否をしている限り離婚は非常に難しいと言って良いでしょう。
裁判で勝訴するには以下の5項目で何れかを満たしておく事が重要なポイントとなります。
1、既婚者における不貞行為
2、夫または妻から悪意の遺棄があった時
3、夫または妻の生死が3年以上明らかでない時
4、夫婦のどちらか一方が重度の精神病にかかり回復の見込みがない時
5、その他、婚姻を継続するのが難しい様な重大な事由がある時
今回の離婚原因は1の項目が当てはまりAの浮気による離婚に向けての計画を開始する事になります。
先程にも述べたように相談から契約に至る前に依頼者の意思を聞いておく必要があります。
浮気が発覚した場合は離婚するか婚姻を継続するかの何れかになりますが契約前の段階で、このような質問をされた依頼者は決断を引きずる事も多く中々答えが出てこない事も少なくありません。
しかし、ここで離婚か婚姻継続かを決断しておくと調査費用を無駄に支払う事が少なくなるという依頼者にとってもメリットがあります。
離婚か婚姻継続の判断次第で調査のさじ加減が大きく変わってくる事になるからです。
ただ浮気をしているかどうかを知りたいだけであれば依頼者が納得できる範囲の証拠を集めてくるに留まりこの場合は費用が少なくて済む事になります。
離婚を前提に考えた調査は「裁判官が納得する証拠」を集める事になります。
その場合はホテルの滞在時間や建物の出入りなど不貞行為が確定していると知らしめる為に、あらゆる証拠材料を収集し踏み込んだ調査を行います。
調査員の増員や撮影における入念な調査をする為、期間は長くなる事もあり労力が掛かる事から調査費用は高くなっていきます。
浮気を確信していた依頼者であっても今回の浮気現場が非常に生々しく証拠に収めた映像や画像入りの報告書を全て見る事は出来なかった様です。