探偵の費用の基本的な考え方
探偵の費用の基本的な考え方は、二つあります。それは、人件費と調査にかかる時間です。例えば、調査として代表的なものに浮気調査というサービスがあります。浮気調査は、主に人件費を主として計算を行うことに特徴があります。そもそも、浮気調査のように尾行や追跡能力を問われる仕事を行う際には、その仕事に見合ったキャリアと実績が調査員に問われます。誰でも簡単にできる仕事ではありませんので、探偵の浮気調査についてはこうした人件費を確保するためのある程度の費用が必要になるわけです。これに加えて、調査にどの程度の時間が必要になるのかがとても重要になります。一般的には、調査員2名で尾行や追跡を行う場合には平均して1時間あたり1万5000円から2万円程度の費用が必要になります。探偵事務所の中には、1時間あたりで相場を提供するのではなく3時間あたりの相場を基準として費用を計算しているところもあります。このような場合だと、平均して調査員1名あたりで3万円程度の相場が妥当です。重要なのは、調査員が何名存在していて、実際の調査にかかる時間がどの程度なのかを把握しておくことです。
基本的に、調査時間を短くすれば費用を小さくできるためそのための情報を依頼人から探偵事務所に対して提供しておくことも非常に重要だと考えられています。例えば、調査を行う際に相手の名前も住所もわからないのでは調査のしようがありませんし、相手の情報を確保するだけでも時間がかかってしまいます。浮気調査などを行う際には、相手の情報をできる限り詳細に探偵に伝えることが大切なので、これを行っておけば劇的に費用を小さくすることもできるでしょう。
実際に好まれる情報としては、相手の住所や名前だけではなく会社の所在地や顔写真などです。相手の行動パターンが分かっている場合には不必要な尾行や追跡を行う必要が無くなりますので、調査時間を著しく短縮することが可能です。特に、浮気調査の場合には相手が本当に浮気を行っているのかという証拠が必要になります。当然ですが、証拠を確保するためには相応の時間が必要になりますし準備も必要になります。詳細な情報を与えていれば、余計な時間をかけずにピンポイントで素早く証拠を確保してくれますので、この点も大切です。このように、基本的な費用の考え方は調査員の人件費と調査にかかる時間の二つであると知っておきましょう。
調査費用の内訳は必ず出してもらおう
実際に探偵に調査の相談をした後には、すぐに契約をして依頼をするのではなくまず内訳を出してもらわなくてはいけません。すぐに契約をすると、依頼人が知らないところで余計な見積りが出てしまっていることもあり得ます。探偵の見積りに含まれるのは、調査員の数と調査にかかった時間、そして諸経費です。問題なのは、諸経費に含まれる余計なオプションにあります。例えば、調査の依頼をして実際に行動をしてもらう場合には、調査に必要な機材や自動車などを事務所側が全て揃えなくてはいけません。当然ですが、機材や自動車を依頼人が揃える必要はないわけです。ところが、こうした機材費や交通費の内訳というのはその場で公開されることが実は少ないという事情があります。探偵の仕事は流動的ですので、尾行や追跡を行っている過程でやむを得なく経費が必要になることも確かにあります。しかし、こうしたやむを得ない状況でも諸経費というのはキャリアのある事務所にとっては十分に計算が可能な範疇なのです。実績を積んでいますので、どのような状況で経費が発生するのかを把握しており、優秀な事務所ならばそれに必要な内訳をきちんと出してくれます。例えば、追跡や尾行に必須な経費としては交通費や機材費だけではなく、通信費や宿泊費もあります。調査が長期的になるケースでは他の調査員との連絡や張り込みのための宿泊が必要になるからです。また、調査をしている事務所には、現状の調査状況を依頼人に頼まれたときに報告する義務があります。そのため、本社に対する報告を行うための経費も諸経費には含まれているわけです。仮に、こうした見積もりが出せない事務所に当たった場合には、そうしたところで依頼をすることは避けた方が無難でしょう。逆に、内訳に関して契約前にしっかりと提示してくれる業者は非常に優秀だと判断できます。この場合は、後で追加料金が発生するのかどうかを確認しておくだけで安心して任せることができるでしょう。
また、契約を行う際には全体の料金プランの確認もしておくことが大切です。例えば、事務所の中には前金として最初から料金を請求するところもあります。一方で、実績を考慮して安全に依頼人に相談をしてもらいたい事務所では、成功報酬型の支払い方法も存在します。どのプランを選択するかは個人の自由ですが、具体的な詳細を必ず聞いて最も自分に適したものを選択すると良いでしょう。
費用に追加料金などがないかチェックする
探偵事務所の中には、親切に内訳を出してくれる事務所が多いです。しかし、そうして内訳を出してくれる事務所の中でも特に悪徳な事務所には見積りを安く見積もって提示してくる業者が存在します。安く見積もってくれるのならば構わないのではないか、と考える人もいますが探偵の場合はそうはいかないところに注意が必要です。何故かというと、探偵の見積もり価格には追加料金が存在する可能性があるからです。悪徳な事務所の手段として、安い見積もりを出しておいてまず契約だけを行うという方法があります。契約を行ってしまえば、その契約内容に応じて依頼者側は費用を支払わなくてはならない法律的な義務を生まれますので気を付けなくてはいけません。実際に存在する追加料金としては、調査員の増加と調査日数の増加の二つがあります。既に述べた通り、調査員の人数と調査時間は費用に大きくかかわってきます。悪徳な事務所の場合は、こうした追加料金を依頼人の許可なく後で見積もることが多いので知っておきましょう。
そして、もう一つ重要なのがキャンセル料金の有無に関してです。基本的に、キャンセル料金に関しては依頼をキャンセルした段階で支払わなくてはならないケースがほとんどなのでこれは仕方がありません。重要なのは、キャンセルを行うタイミングです。調査開始前に関しては、見積り価格の全額の10%から30%程度が相場になっています。例えば、依頼をして契約をしたにもかかわらずその調査の直前でキャンセルした場合にはこれだけのお金が必要です。調査開始後にキャンセルをした場合には、そこまでにかかった費用を日割り計算で行ってくれることが大半です。例えば、契約上1週間で100万円程度の費用が必要だった場合、これが3日間でキャンセルになった場合には100万円の費用を3日間の費用で再計算して算出します。調査を途中でやめた場合に関しては、優良の探偵事務所であるのならば費用をある程度は返還してくれます。また、仮に調査前に前金としてお金を支払っていた場合には、そこから10%から30%分のお金を返してくれます。
こうした費用面に関しては、契約事項に関連することとして探偵の方から正しい説明が行われなくてはいけません。これは法律的な義務であるため、追加料金やキャンセル料金に関して説明がなくお金を請求された場合には依頼人の方でしかるべき処置をとっても構わないということを覚えておきましょう。
料金プランを選ぶときの注意点
大まかな内訳や算出方法がわかった後は、具体的にどうやって探偵に対してお金を払うのかを決めなくてはいけません。一般的には、前金と後払いの二つの方法があります。
お金を払う場合には、いきなり全額を支払うのではなく結果が出てからきちんと払うようにあらかじめ契約で決めておくことが大切です。これは、後払いに関しても同様です。結果が出ていないにも関わらずお金を払わなくてはならない事態になると、お金を損してしまうことになりかねません。実は、
そもそも、探偵事務所の中には何をもって成功であるのかという最も重要な部分の説明をしないで調査を始める事務所もあります。例えば、浮気調査を行うとはいっても口先だけで浮気の有無を報告されては、依頼人にはその真意がわかりません。本当に浮気をしていたのならば、その証拠を取得しないと客観的に調査が成功しているかどうかなどわからないわけです。つまり、浮気の事実を掴んだという誰もがわかる証拠が必要なのです。優秀な事務所では、この点に関する説明が必ずあります。探偵と依頼人の成功に関する認識を一致することから始めてくれますので、こうした認識の一致があった場合には成功報酬としてお金を支払うことに意味があります。一方で、成功に関する定義が探偵の方から明示されていない場合にはたいした情報が無かったとしても料金を支払わされてしまう可能性も否定できません。ですから、前金にしても後払いにしても、成功報酬という形で費用を支払う場合にはこの点を必ず知っておくことです。
また、探偵事務所によって分割払いで支出しても構わないところもあります。探偵の調査は流動的で、実際に成功するかどうかはその探偵の腕や調査対象の行動にも依存します。ですから、調査の報告などを聞きながら分割払いで費用を支出することを認めてくれている事務所もあるわけです。この場合は、仮に途中で調査に関する良い経過が聞けた段階で調査のキャンセルをすることもできるので余計な費用を支出しなくても済むようになります。
このように、料金プランを選択する場合には状況に応じて正しい選択をする必要があります。調査に関して素早く終わる自信があるのならば前金で一括して支払っても大きな痛手にはなりませんし、時間がかかる場合には探偵事務所が提示するパック料金を選択する手段もあります。相手の言い分だけを聞いて流されないようにすることです。
先を見据えた費用の削減ポイント
調査そのものは探偵が行うことになるため、確かにそのためのお金は必要です。しかし、この費用は依頼人の行動次第によって大きく削減することができるのも事実です。要所をしっかりと抑えておけば、最小限の支出で大きな結果を期待することが可能です。
そもそも、調査を探偵に依頼するメリットとは何なのでしょうか。最も大きなメリットは、法律に違反せずに相手の情報を得ることができることです。夫婦や恋人関係とは言っても、相手のプライバシーに過剰に入り込む行為は犯罪行為になってしまいます。これは、浮気や不倫を調査するときであっても同じです。勝手な判断でパートナーの職場に顔を出したり日常生活を阻害する行為をすると、罪に問われる可能性があるわけです。一方で、探偵は探偵業法という法律の下で一般人とは異なる調査の権限が与えられています。ですから、調査を依頼すると費用はかかりますが法律的に安全な調査を行ってもらうことができるわけです。
依頼人は、この前提を理解して調査対象の情報を探偵に提供する必要があります。調査をしてほしいことを明確にして、そのポイントだけに絞って費用を支出するようにすれば良いわけです。例えば、携帯端末などの中身を確認することそのものは罪ではありませんので、そうした情報を見て相手の出方を窺うこともできます。浮気調査であるのならば、こうした情報収集で誰かと出会う日がわかればその日時を探偵に教えておくことが可能です。こうすれば、効率的に浮気の証拠だけを確保することができるわけです。この場合、支払う費用は最小限で済むようになります。
また、浮気調査の先を見据えて費用を考慮することも大切です。仮に、浮気調査や不倫調査を行って相手が本当にそう言った行動をしている場合には、その先に離婚裁判などを念頭に置いた手続きをしなくてはいけません。実は、探偵の入手した物的な証拠というのは裁判でも利用することが可能なのです。これは、実際に裁判所からも証拠能力が存在するものとして認められています。普通、裁判に関わる証拠は申立人がきちんと用意しなくてはいけないので、この場合は依頼人が自己負担で証拠を準備する必要があります。この点、探偵に依頼をしておけばそうした先を見据えた証拠も獲得することができますので、結果的に無駄な費用を支払わなくても済むようになります。その時だけの費用だけではなく、きちんとその先を見据えた費用を計算しておくことが大切でしょう。