インターネットで比較できるかどうか
生活していく中では時に自分一人では解決しない問題に直面してしまうこともあります。そんな時ただ悩んだまま時間が過ぎるのを待つか、トラブルの解決に向けて行動するかでその後の展開は大きく変わってきます。ですが一人で安易に行動してしまうのはリスクも考えられるため、できればしっかりとした知識や経験を持った人にお任せしたいものです。
そこで問題解決に一役買ってくれるのが探偵であり、ドラマや映画で活躍する姿はみなさんもよく見る機会があるのではないでしょうか。現実の世界でも探偵は様々なところで活躍しており、多くの人の手助けをしています。ですが探偵事務所は料金設定に決まりや制限が無いことから、それぞれによってサービスの特徴や料金が異なります。
私は過去に数社で探偵として働いた経験があり、事務所による違いを間近で見てきました。できれば多くの人に低価格で質の良い調査を依頼していただきたいという思いから、今回は探偵事務所を比較する際のチェックポイントを紹介していきます。
まずインターネットでは浮気調査の比較サイトが数多く存在しますが、これだけでは十分に比較することは難しくなっています。比較サイトに掲載されているところは全体の一部であり、ほとんどは首都圏や都市部に事務所を構えています。首都圏や都市部でのみ調査をお願いする場合は十分かもしれませんが、探偵には土地勘が一番重要でもあります。とっさに判断し予測して行動するにはその土地の道路、お店様々な情報が必要になってきます。そのためできるだけ地域に密着した探偵事務所を選ばなければなりません。比較サイトを利用する時は地域を限定して検索できる機能があると自分に合った事務所を探しやすくなります。
そして中にはインターネット上にホームページを作成していないところもあります。こういった事務所は広告を出さなくても依頼者が訪れることから余計な広告は出していないことが多いです。もちろん広告費を削ったりホームページの作成技術が無いことも考えられますが、これは事務所の店舗の外観や内部をすればすぐに判別することができます。
あまりに立派なビルや装飾のされた外観は疑問がありますが、清潔感があって明るく入りやすそうな事務所であれば問題ないと考えられます。一番は依頼者の目線で事務所が展開されているかどうかであり、無駄な経費を使っていないほうがしっかりとした調査を行っている可能性が高くなっています。
調査員をチェックすること
私が過去に働いた探偵事務所の中には、依頼者に相場よりも高い料金を請求していたところがありました。ですが現場で働いている調査員の給料は相場よりも低く、経費も削減するように指導されていました。結果として経営者の利益ばかりが重視され依頼者の感情や希望は後回しにされていたように思います。
私も数か月で退職しましたが、現場で働いていた調査員のほとんどは数か月で違う事務所に転職しており、経験豊富な人材はいませんでした。数年後その探偵事務所は調査員の不足から満足な調査ができなくなってしまい、依頼者からキャンセルが相次ぎ最後は閉鎖されてしまいました。
実際にこういった事務所はそう多くはないのですが、もしかしたらどこかにあるかもしれません。そこで依頼者が見抜くためにチェックしてほしいのは、実際に現場で活動する調査員に会わせてもらうことです。小さな探偵事務所では初回の見積もり時や相談時に立ち会った人間がそのまま現場での調査も行いますが、大手の場合受付と現場の人間は異なります。これはどれほどの人材が確保されているかによっても違いがありますが、専門分野が異なるためでもあります。
ですが調査を始める前にいくつか依頼者に確認しておくべき事項があるため現場を指揮する調査員自ら面談を行うことがあります。この時いくつか質問をすることで調査員の質をある程度把握することも可能です。一番おすすめしたい質問は調査の経過を定期的に報告してほしいという希望を言います。
ここで嫌な顔をしたり断わってくる場合は注意が必要で、依頼者のことを第一に考えている調査員であれば連絡手段の確認や都合のいい時間帯などを確認してくれます。本来は経過報告は探偵の義務ではありますが、時に経過報告さえ追加料金を徴収する事務所もあるようです。
そのため当たり前のことを面倒くさがらずにやるかどうかはチェックしておきたい部分です。この時点で違和感を持った時は調査を続行して料金の全額を支払うよりもキャンセル料を支払ったほうが余計な出費を減らせるかもしれません。
現場で動いている調査員と連絡を取り合うことは依頼者の安心感にも繋がりますが、調査をスムーズに進める上でも欠かせないことでもあります。依頼者から些細な情報を得ることも多く、それが調査の円滑化にも役立つからです。ちょっとしたヒントで調査が急展開することもありこういった細かい作業を丁寧にする調査員は、とてもいい仕事をすることが多いです。
料金だけで比較をしない
探偵事務所の料金設定は色々ありますが近年は基本料金が定められているところが多く、成功報酬で高額な料金を請求するところはあまり見られません。中には成功報酬型を取り入れているところもありますが、明確に料金が設定されていて難易度の高い依頼のみ追加費用が掛かるところがほとんどです。
そのため利用する方は安心して依頼しやすくなってきているものの、料金トラブルに悩まされる方も後を絶ちません。なぜ料金トラブルが起きてしまうかという問題には、一見明確に見える料金システムには複雑なシステムが付随されている探偵事務所が多いからです。
例えば1週間の調査期間で基本料金は5万円と料金設定が定められていたとします。ですが詳しくこのプランの中を確認していくと調査員の数は基本は1人で調査員を1人追加するごとに1日1万円費用が掛かるようになっています。基本調査は少なくても2人で行うものが多く、トイレ休憩や尾行で見失わないようにルートを変えて追跡するためです。
もちろん1人で調査が可能な依頼もありますが全体の中では少数で、簡単な案件が多いため数日で終わるものがほとんどです。ほとんどは追加料金が加算されトータルでは12万円請求されることになり、見積もりとは大きく異なってしまうことからトラブルになってしまうのでしょう。
追加費用が発生する料金体系をとっている探偵事務所は一般的で、ほとんど見積もり時よりも請求金額は多くなってしまいます。調査で使った車のガソリン代であったり、駐車場代や撮影の機材代などは予測できないため調査後にまとめて計算し費用に計上されるからです。
比較する際にはこの追加費用についてしっかり明記されているかどうかに注目しましょう。よく広告で追加料金は発生しませんと書いている探偵事務所を見かけますが、なぜ予測不能な費用を先に徴収しているかの方が疑問です。こういった広告の場合小さく下の方に「諸経費は追加料金とはみなしませんので調査終了後に清算していただきます。」など注意書きがされていますので、細かい部分まで見逃さないように気をつけましょう。
まったく注意書きがされていない場合は基本料金が最初から高額に設定されていたり、しっかりと調査をい行ってくれない可能性も考えられます。安さだけを強調している探偵事務所はそれなりのリスクがあると考え、料金に見合った調査を行ってくれるかどうかという点で判断するようにします。
調査のその後を予測しておく
探偵と一言でまとめてもそれぞれ調査で得意としている分野があるものです。人探しや浮気・不倫、金銭トラブルなど探偵に舞い込む依頼は様々で、時には迷子になったペット探しなんていうものも存在します。私は最初に探偵として働いた職場で指導してくれた方が不倫調査を専門にしていたこともあって、長年不倫調査に携わってきました。
不倫調査も人探しに通じるものがあるのである程度の人探しも得意とはしていますが、金銭トラブルや借金関係の調査はあまり得意ではありません。そのため自分が不得意とする調査はできるだけ参加しないようにし、依頼者の不利益にならないように工夫しています。
これは探偵事務所がしっかり調査員を一定人数確保しているから分野ごとに使い分けできるのですが、小さい探偵事務所は依頼ごとに調査員を変えることはありません。もちろんどんな依頼でもバランスよくこなせる探偵もいますし、これは経験に勝るものはないと思っています。
以前働いていた探偵事務所は所長は探偵としてベテランの方でしたが、他は私以外ほとんど経験の無い若手調査員ばかりでした。ですが所長の人脈の広さもあってか依頼は休むことなく舞い込むため、所長と私はずっと調査に出続ける必要がありました。正直苦手な依頼もあって依頼者を満足させるような結果を出せないこともあり、この時が一番苦しい時期でした。
そんな経験もあって今は浮気・不倫調査を専門にしているのです。
ここで何が言いたいかというと、探偵事務所の中には得意としている依頼のジャンルを公表しているところもあり、依頼内容と一致するのであればこういった事務所を選択したほうが満足できることが多いのです。特に調査の結果から訴訟に移行する場合、調査の報告書が裁判で重要な証拠になります。
依頼者が裁判に有利になるようにと考えると、報告書に使用する写真はより鮮明ではっきりと写っている人や建物がわかるものでなければなりません。場合によっては言い逃れのできない瞬間の写真や映像が必要になることもあり、そこを目指した調査ができるというメリットもあります。
これは調査結果や報告書の使い道で起きる最終結果を比較すると、大きな差が出てくる部分でもあるため最初の選択が重要になってきます。そのため調査結果によってさらなる展開を考えている時は、比較する際にその依頼に特化した探偵事務所であるかどうかをチェックしましょう。
様々なチェックポイントから比較していく
探偵に調査を依頼すればトラブルが全て解決すると思っている方も多いですが、我々の仕事は事実を調べることであり人助けが仕事ではありません。調査結果からその後どうするかは依頼者に委ねますし、直接手を下すことは決してありません。中にはトラブルを解決しますと依頼者を誘い、過剰に干渉してくるケースもありますがこれには注意が必要です。余計な費用を請求されたり、思ってもいなかった結果になってしまう恐れもあるからです。
もちろん探偵事務所の中には依頼者のサポートを行うシステムを取り入れているところもあります。トラブルに悩まされている方の中には誰にも相談できずに精神が傷ついてしまう方も多いので、そういう方のためにカウンセリングを取り入れて調査と並行して依頼者のケアも行っていきます。
他には調査結果から訴訟に移行していく方のために弁護士や行政書士を紹介してくれたり、探偵事務所が独自に専門家を雇っていることもあります。カウンセリングや専門家の紹介は無料で行っているところも多いので、充実したサービスを受けたい方は比較する際にチェックしておきましょう。
細かなチェックポイントとしては相談時に個室が用意されているかどうか、依頼者の希望によっては女性のスタッフに担当してもらえるかどうかなどです。非常に些細なことかもしれませんが調査開始前の面談はとても重要であり、個人情報がふんだんに会話に含まれてしまうことが多いです。
周囲に人がいれば言いたいことが言えなくなってしまったり、質問したいことが聞けなくなってしまうこともあります。女性のスタッフを希望する方とも実際は多くいらっしゃいますし、依頼者が女性の場合は特に充実した面談が期待できます。女性スタッフの方が細かな違和感を察知することもありますし現場でも活躍することが多く、探偵事務所では近年人気の人材となっています。
また事務所の入り口が目立つ場所にあると人目にもつきやすいので、周囲に知られることなく相談したい場合は立地も比較する際にチェックしてみましょう。ほとんどは見積もりだけでしたら無料でできますし、初回相談も無料で行ってくれるところも多くなっています。実際に事務所の様子を確認したりスタッフの様子を見てから比較していくのもおすすめです。調査はある程度費用の掛かるものですから、最初の事務所選びはしっかりと数社比較しながら進めていくことが大切です。